カモフラージュ柄を知る ~アメリカ編~

カモフラージュ柄を知る
~アメリカ編~
ミリタリーの定番ともいえる「カモフラージュ柄」。
一般的に「カモフラ」「カモ柄」。日本の名称としては「迷彩柄」など、呼び名があります。

大きくカモ柄と言っても、採用していた国や時期、着用場所によって柄が大きく変わってくるのがカモフラのおもしろいところ。

今回はその中でもアメリカのカモフラージュ柄をいくつかご紹介して参ります。

ウッドランドパターン
ウッドランド柄はアメリカ全軍を代表する定番の迷彩柄。
みなさまが「カモフラ」といわれて想像するのはこのパターンではないでしょうか。

このカモフラは「4色ウッドランド」や「USウッドランド」「M31ウッドランド」など様々な呼び名が存在します。

特徴は4色の不規則な形状の班柄。

小さすぎる班は、遠距離だと細かすぎて一色にみえてしまう。そこで、遠距離戦を想定して考案された大きめな班柄がウッドランドです。

しかし、4色のコントラストの差が大きく、至近距離でのカモフラージュにはかなり不向き。あくまでも遠距離特化型のカモフラパターンです。

チョコチップデザートパターン
なんだか甘そうな名前のカモフラ柄。
こちらもアメリカ陸軍のものですが、陸は陸でも砂漠地帯で活躍した柄です。

「6C(6カラー)デザートカモ」とも呼ばれるこの柄は、チョコチップのようなデザインを砂漠の小石に見立てているそう。

しかし実際に戦闘が行われた砂漠の色味はアメリカの砂漠を参考に作られたこの柄や色とは雰囲気が合わず、10年ほどで生産は終了しました。
特に名前の由来でもあるチョコチップ、そう、小石の部分が目立ってしまったそうです。


ダックハンターパターン
女性も着やすい、ダックハンターカモ。

このカモフラ柄は軍として一応採用はされましたが、すぐに回収されてしまいました。それは敵であるドイツ軍のガレキ迷彩と酷似しており、悲しいことに誤射が相次いだからと言われています。

そして回収されたこのカモフラージュは民間に放出。そこから鴨(ダック)の漁をする愛好家が好んで着用をしたため、「ダックハンター」という名前がついたそうです。

軍での実用はかなり少なかったものになります。

デザートナイトパターン
先程紹介した砂漠用のものとはまた印象も色も違う、夜間の砂漠用のカモフラ柄です。

当時の夜間暗視装置でみた時に写りにくいグリーンと、格子柄で形成されています。

砂漠は暑いイメージですが夜は放射冷却により、かなり冷えます。
そこでこのコートをオーバーコートとして羽織り、体を冷やさずにこっそり潜んでいたという訳です。

デジタルカモフラージュパターン
ご覧の通り、デジタルで構成されたカモフラージュの柄です。通称「デジカモ」と呼ばれており、現用もされています。

デジタルな事にはきちんと意味があります。
いままでの班の大きなカモフラには、角度や場所による違和感が生じました。
テレビや写真などもそうですが、引いてみるとひとつの絵や風景であっても、拡大すると小さなドットの集合体です。
すなわち、どんな風景にもドット絵が潜んでいる。
そう考えたアメリカ軍はコンピューターで風数の背景を解析し、「できるだけたくさんの風景に合うデジタルの柄」を作り出したそう。

陸海空軍それぞれのデジカモが存在しますが、それぞれにあったデジタルパターンで形成されているのです。

現代の技術が垣間見れるカモフラ。それがデジカモです。

今回紹介したアメリカの以外にも、各国、多種のカモフラ柄が存在します。
ヨーロッパなどのカモフラ柄もユニークなものが数多く存在しますので、またの機会にご紹介できればと思います。